2007.10.08 Monday
米澤穂信『遠まわりする雛』
省エネ主義者を自ら以って任ずる折木奉太郎、そして千反田える、福部里志、伊原摩耶花という古典部の面々が遭遇する日常と謎。シリーズ4作目の本書は主に野性時代に連載された短編、7編を収録した短編連作。まだホータローがえると出会ったばかりの頃の事件から、ふたりがじょじょに接近する『十文字』事件以降の事件とシリーズを縦断!
ああ、素晴らしい。やはり米澤穂信は青春ミステリの旗手という名が相応しいなと再認識した次第。本書に収録されている作品のなかでは、「正体見たり」と「心あたりのある者は」のみ既読で、この2編の印象からてっきりいつものメンバに日常の謎をぶつけただけで回した短編集だと思っていたのだが、そんなことは全然なかった。「やるべきことなら手短に」から「遠まわりする雛」まで、おそらく作中の時系列順に並べられた短編は、実際にはバラバラの順番に書かれたにも関わらず、登場人物の成長が感じられるほどに、成長小説として読めるのだ。もちろん青春小説としても素晴らしいし、日常の謎としても素晴らしい。完璧。
この作者の他の作品の感想:『ボトルネック』
感想リンク:雲上四季 のべるのぶろぐ

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