2007.11.30 Friday
長谷敏司『円環少女 6 太陽がくだけるとき』
テロリストの狙撃を受け、倒れたメイゼル。彼女を救うために武原仁は敵の要求を飲み込むことにする。それは、公館に対する裏切りを意味するものであった。かつての仲間が攻撃を加えてくるなか、武原仁は逃げ惑い、防戦を続ける。《鬼火》東郷永光と《茨姫》オルガ・ゼーマンの攻撃を退けた彼に、迫った第三の敵、それは鴉木メイゼルだった……。
ほうほう。6巻まで読んでようやく「面白いな!」と思え始めてきた。武原仁と東郷永光の対決、東郷永光と八咬誠志郎の友情。東郷永光と鴉木メイゼルの対決。エレオノール・ナガンの決意。今回は読みどころが多かった。都合3冊を費やして描かれた事件のクライマックスも、圧倒的なものであったし、良かった。文章力が向上しているのも喜ばしい限り。
ところで、些末な問題かもしれないが、設定上の矛盾が気になった。第1巻のバベル事件と、第2巻と第3巻のグレン事件において、ラスボスと武原仁が直接的に対決したのだが、その理由が「彼が最初に事件に関わったから」であると今さらになって明かされたのだ。それはどうやら公館にある慣例らしいのだが、これに違和感を覚えて仕方がない。と言うのも、十崎京香が2年か3年前に公館のシステムを作り変え、今のようなかたちにしたとも明示されているのだが、これが真っ向からぶつかるように感じられるのだ。十崎京香の効率的かつ論理的なキャラ造詣を鑑みるに、最初に事件に関わった専任係官を何も考えずに、強大な敵にぶつけるのはあまりに無策。と言うか、1巻や3巻の時点では《沈黙》の二つ名を持つ武原仁の能力が、このボスに対して最も有効だからという理由があったように思うのだが……。物語が要請する展開(つまり読者視点で面白い展開)を自然な展開(リアリティのある展開)にさせるために、設定を上からどんどん付け加えているようなのだが、それを無理やりにやっているせいで、矛盾ばかりが生じていってしまうように思う。
このシリーズの既刊の感想:『円環少女 1 バベル再臨』『円環少女 2 煉獄の虚神(上)』『円環少女 3 煉獄の虚神(下)』『円環少女 4 よるべなき鉄槌』『円環少女 5 魔導師たちの迷宮』
感想リンク:雲上四季 リクリップス ラノベマップ のべるのぶろぐ
ところで、些末な問題かもしれないが、設定上の矛盾が気になった。第1巻のバベル事件と、第2巻と第3巻のグレン事件において、ラスボスと武原仁が直接的に対決したのだが、その理由が「彼が最初に事件に関わったから」であると今さらになって明かされたのだ。それはどうやら公館にある慣例らしいのだが、これに違和感を覚えて仕方がない。と言うのも、十崎京香が2年か3年前に公館のシステムを作り変え、今のようなかたちにしたとも明示されているのだが、これが真っ向からぶつかるように感じられるのだ。十崎京香の効率的かつ論理的なキャラ造詣を鑑みるに、最初に事件に関わった専任係官を何も考えずに、強大な敵にぶつけるのはあまりに無策。と言うか、1巻や3巻の時点では《沈黙》の二つ名を持つ武原仁の能力が、このボスに対して最も有効だからという理由があったように思うのだが……。物語が要請する展開(つまり読者視点で面白い展開)を自然な展開(リアリティのある展開)にさせるために、設定を上からどんどん付け加えているようなのだが、それを無理やりにやっているせいで、矛盾ばかりが生じていってしまうように思う。
このシリーズの既刊の感想:『円環少女 1 バベル再臨』『円環少女 2 煉獄の虚神(上)』『円環少女 3 煉獄の虚神(下)』『円環少女 4 よるべなき鉄槌』『円環少女 5 魔導師たちの迷宮』
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