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冲方丁『スプライトシュピーゲル 3 いかづちの日と自由の朝』

 木曜日(ドナースターク)=いかづちの日。エドワルト・メッサーシュミット州知事の護衛に始まったその日が、かくも長い一日になることを、三人の妖精はひとりとして予期していなかった。封じられる転送の開封、敵の特甲猟兵、そして潜りこまれたスパイの暗躍……一時間刻みで進行する山猫事件。その終わりに待ち受けるものとは、一体……。
 水無月くんがかわいい。その一言に尽きる巻だった。2巻は『オイレン』を先に読み、展開をある程度、把握していたからキャラに集中して楽しむことができたが、一切の前知識なく『スプライト』から入ると、やはり肌に合わないように思う。ところどころ面白い展開もあったが、『オイレン』と比較してキャラクタたちに深みがないため、たいした葛藤もなく、わりとあっさり流されてしまうのだ。やはり、多少のネタバレをも覚悟して、『オイレン』から読み始めるべきだったかもしれない。と言うか、クランチ文体を用いた冲方丁は、もしかしたら好みではないのかもしれない。今ひとつ、乗ることができない。
 キャラクタに関しては、冒頭に記したとおり水無月くんが非常に魅力的に描かれていた。小憎たらしいところがたいへん素敵である。冬真よりずっと素敵だと思った。
秋山真琴 | _ | 13:26 | comments(0) | - |
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